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久保建英 2年前

30分でわかる久保建英の凄み。ソシエダの逆転勝利を呼び込む“後出しジャンケン”【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

久保建英ら3枚替えの意図は?



 ソシエダは立ち上がりからボールを支配した。ラージョは奪ったら素早く縦に蹴り込むが、これを収める選手がいないため、ほぼ守備をしていた印象。データサイト『Who Scored』によると、前半の支配率は60.2%:39.8%だったようだ。

 ホームチームは12分、直前のファウルによって取り消しにはなったが、ミケル・オヤルサバルがゴールネットを揺らした。さらにその10分後には、ダビド・シルバが際どいシュートを放つなど、チャンスを作っている。

 しかし、ラージョ側の慣れもあったか、25分以降は明確な決定機を作れなくなっていった。相変わらずボールは支配しているものの、あと一歩のところでパスが引っかかったり、奪われたりと、歯がゆい時間帯が続いてしまったのだ。

 そしてスコアレスで迎えた後半、ソシエダはビルドアップのミスから失点。マルティン・スビメンディからのパスを受けたジョン・パチェコのエラーだったが、前半からラージョはスビメンディからの配球をかなり警戒していたため、狙い通りの形にさせてしまったと言えるかもしれない。

 しかし、ソシエダは失点からわずか2分で同点に追いつく。そして直後には、イマノル・アルグアシル監督が動き、モハメド=アリ・ショー、久保建英、アシエル・イジャラメンディの3人を同時投入した。試合後に同監督はこの交代の理由について、突破やプレス強度、スピード感があと一つ足りていなかったためと話していたそうだ。

 さらに81分には、セルロートを下げ、カルロス・フェルナンデスを入れた。

 結果として、この交代策は的中した。81分、久保が起点となったところから投入されたばかりのC・フェルナンデスがオウンゴールを誘発したのである。ビルバオ戦やビジャレアル戦は采配が裏目に出てしまったが、この日はそうはならなかった。

 その中でもとくに存在感を放っていたのが、久保だ。

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