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リスクが高い? 10代で欧州移籍した日本人選手5人。その後どうなった? 海外挑戦した逸材たち

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

財前宣之


【写真:Getty Images】

生年月日:1976年10月19日
移籍時期:1996年7月(19歳)
移籍:ヴェルディ川崎→ログロニェス(スペイン)

 財前宣之は10代のころから突出した才能を披露していた。読売(現東京ヴェルディ)ユースで天才と称され、FIFA U-17世界選手権(現U-17ワールドカップ)では中田英寿、松田直樹、宮本恒靖らそうそうたるメンバーがいるU-17日本代表で背番号10をつけた。満を持して95年にヴェルディのトップチームに昇格し、ほどなくして海外での挑戦が始まった。

 まずは留学という形でイタリアのラツィオに加入し、トップチームの練習にも参加した。しかし、留学を終えてヴェルディに戻り、ブラジルで行われた大会で左膝の前十字靭帯を断裂。半年後にスペインのログロニェスへの移籍が決まったため、復帰を急いで新天地に向かったが、左膝の同箇所を断裂してしまう。結局、1試合も出場することなく退団することとなった。

 ヴェルディに戻り、クロアチアのリエカ、ベガルタ仙台、モンテディオ山形でプレーし、現役生活の最後はタイで過ごした。仙台時代にも右膝前十靭帯を断裂する悲劇に見舞われている。中田英寿も認めた才能は、3度の大怪我に苦しめられることになったが、その度に懸命なリハビリを経てピッチに戻ってきた。その姿は、多くの人々に勇気を与えたはずだ。

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