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なぜアーセナルは大量失点が続いているのか。外れた思惑と自滅に近いミス【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

3失点目で見られた2つのミス



 サウサンプトンの3点目を与えるコーナーキックの直前にアーセナルの致命的なミスが絡んでいた。

 左サイドの自陣深くで、ガブリエウ・マルティネッリがウォルコットからボールを回収すると、オレクサンドル・ジンチェンコへとボールを預けた。ジンチェンコはアンカーのトーマス・パーティへとパスを出すと、このガーナ代表MFがジェームズ・ウォード=プラウズの寄せにあってボールをロスト。これがキッカケとなってサウサンプトンにコーナーキックが与えられた。

 このトーマスのボールロストの仕方は前節ウェストハム戦と全く同じものだった。変わったのはデクラン・ライスとウォード=プラウズと相手選手だけ。相手ゴール方向に対して後ろ向きでボールを受けた際に自身の左斜め後ろからのプレッシャーに気が付かず、素早く寄せられたところボールを失ってしまった。

 そしてコーナーキックの守備の場面でもロブ・ホールディングが、マークに付いていたアーメル・ベラ=コチャプを完全に見失っていた。ウォード=プラウズがクロスを上げた瞬間に一瞬で自身の前に入られると、ドイツ代表DFにニアからファーへとヘディングでボールを流されて失点。CBとしてはあまりに軽率な守備だった。

 88分、90分とアーセナルは試合終了間際にゴールを決めて、同点に持ち込んだが試合は3-3で終了。ホームで勝ち点2を失った。

 アーセナルは直近の3つのドローゲームで7ゴールを奪っている。要するに課題は攻撃ではない。守備陣だ。しかもその大半がミス絡みと自滅に近い。今日のサウサンプトン戦も3失点をして当然の守備だった。

 この痛恨の引き分けで、2試合消化が少ない2位マンチェスター・シティとの勝ち点差は5となった。両者は日本時間27日に直接対決するが、アーセナルはマンチェスター・シティに公式戦7連敗中。アルテタ監督就任後初の対戦となった試合で勝って以降は全敗を喫している。

 19シーズンぶりの優勝に向けて、もう後はない。

(文:安洋一郎)

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