久保建英が苦戦…。ソシエダの的は絞りやすかった
この日のソシエダは4-3-1-2でスタート。前節同様、ミケル・オヤルサバルと久保建英が2トップを組んでいる。
ただ、前節と少し違ったのは、両者の動き方である。ヘタフェ戦では久保、オヤルサバルともにサイドに開く動きをみせていたが、ビルバオ戦ではオヤルサバルはほぼ中央から動かず、久保が右ウィングのような役割を担っていた。これは、試合後のヒートマップをみても明らかである。
右の高い位置で久保が幅をとる役割を担った一方で、左でその役割を担っていたのはアイエン・ムニョスだった。ただ、同選手はサイドバックであり、そもそも高い位置をとるまでに時間がかかる。そのため、ソシエダがボールを奪い攻撃に転じると、久保のいる右サイドから崩しにかかることがほとんどだった。事実、この日のソシエダは右からの攻めが全体の44%を占めていたというデータが出ている(データサイト『Who Scored』を参照)。
一見するとしっかり準備されているように思えるが、ビルバオからすると的を絞りやすい状況が生まれていた。つまり、幅をとってボールの逃げどころやスペースなどを作る久保さえ封じてしまえば、それほど怖くないのだ。
案の定、久保は苦戦した。ダビド・シルバの的確なサポートもあってボールを繋ぐことはできたが、縦突破はユーリ・ベルチチェにことごとく封じられる。カットインしようにも、右SBのアンドニ・ゴロサベルがそれほど高い位置を取らないため、相手左WGのニコ・ウィリアムズが難なくカバーに入ってスペースを埋めてくる。決定的な仕事を果たすには、あまりにも条件が悪すぎた。
それでも、後半は決定機に絡むことができた。理由は、システム変更にある。