ナポリがミランに突かれた弱点とは?
この試合でミランに勢いが生まれたのは、あるチャンスがキッカケというのは先ほど記した通りだ。そのチャンスというのが、25分のものだ。
自陣左サイドでラファエル・レオンがボールを持つと、寄せてきたアミル・ラフマニとそのカバーに入ったザンボ・アンギサを振り切り、単独でゴール前まで侵入。シュートは惜しくも右に逸れたが、ビッグチャンスだった。
ナポリの守備はかなりアグレッシブであり、最終ラインの選手含めた全員が高い位置でのボール奪取という意識を強く持っている。圧倒的な攻撃力を発揮できる理由とも言えるだろう。しかし、当然ながらリスクは伴う。上記のように前から囲みにいくも外されると、一気に数的不利に陥り、ピンチを迎えやすい。
40分の失点シーンでも、その弱点を露呈していた。中央でボールを引き出したブラヒム・ディアスに対しマリオ・ルイとスタニスラフ・ロボツカの2人が寄せたが、相手の華麗なターンを前に無力化されてしまう。その結果、自陣深くで数的不利となり、最後はイスマエル・ベナセルにフリーでシュートを打たれた。
さらに遡れば、10日前に0-4と大敗したリーグ戦でも、似たような形から失点していた。アンカーのロボツカがサイドに流れ、M・ルイと2人でディアスを囲んだが、奪えず。そしてCBの背後へ抜け出したレオンにスルーパスを出され、ゴールネットを揺らされている。
レオン、ベナセル、そしてディアスと、縦への推進力に強みを持つ選手を2列目に並べてきたステファノ・ピオーリが巧みなのは間違いないが、ナポリはCLでより上へと登るには、プレスの人数のかけ方や背後へのリスク管理をより整備する必要があるかもしれない。