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バイエルンを圧倒したマンCのプランとは? ミスを誘ったペップの策略【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

流れを引き寄せたマンチェスター・シティの堅い守備



 この試合でマンチェスター・シティは4人のCBを最終ラインに並べ、被ボール保持時は4-3-3、ボール保持時はCBのジョン・ストーンズが一列前でプレーする3-4-2-1のシステムを採用した。

 対するバイエルンはトーマス・ミュラーをスタメンから外し、前線にキングスレイ・コマン、ジャマル・ムシアラ、レロイ・ザネ、セルジュ・ニャブリというスピードに特徴のある選手を並べた。トゥヘル監督は、ボール保持を狙うマンチェスター・シティに対してカウンターでゴールに迫るというプランを持っていたのだろう。

 ところが前半は、ジャック・グリーリッシュとベルナルド・シウバの両WGをはじめ、シティの選手は変なボールの失い方をしないため、バイエルンが数的優位でカウンターを打てる場面はほとんど見られなかった。特にベルナルド・シウバのサイドは同選手がボールをキープすることで、攻撃参加が得意なアルフォンソ・デイビスを自陣深くに留めることができていた。ペップのポルトガル代表MFの公式戦3試合ぶりのスタメン起用が見事にハマったと言える。

 またコマンとザネの両WGを活かしたサイド攻撃に対しては、ナタン・アケとマヌエル・アカンジというスピードと対人戦に優れたCBが対応。仮にクロスを上げられたとしても、“偽CB”の役割を与えられていたストーンズが最終ラインに戻り、ルベン・ディアスと中央も固めていたため、クロスもシュートも無難に跳ね返した。

 こうした守備から流れを得たシティは27分にロドリのスーパーなミドルシュートで先制することに成功。対するバイエルンは、前半に54%ものポゼッション率を記録しながらもシュート4本、枠内0本とシティの攻守を前に明確なチャンスを作れなかった。

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