ヒーローとなったのは?
アルテタ監督の采配が裏目に出てしまい、終盤はリバプールに押し込まれ続けたアーセナルだが、なんとか3点目は許さなかった。その理由は単純、GKアーロン・ラムズデールの存在だ。この日はまさに神がかっていた。
95分、アーセナルは大ピンチを迎えた。サラーがボックス内からコントロールシュートを放つと、ボールはガブリエル・マガリャンイスに当たって際どいコースに飛んだ。誰もが入ったと思ったが、ラムズデールが驚異の横っ飛びをみせ片手でセーブ。フィルミーノは喜びかけていたが、すぐに驚いたように頭を抱えた。
さらにその1分後、アレクサンダー=アーノルドのクロスをダルウィン・ヌニェスが折り返すと、ゴール前でフリーになっていたイブラヒマ・コナテが胸でシュート。これも入ったかに思われたが、再びラムズデールが驚異の横っ飛びでかき出す。人間とは思えない技だった。
試合後、現地のカメラはラムズデールにフォーカスを当てていた。アーセナルの勝ち点1は最終的に誰の手によってもたらされたものか、それを理解していたからのことだろう。
驚異のパフォーマンスでアーセナルを救ったラムズデール。19シーズンのぶりのプレミアリーグ制覇に向け、この男の活躍はまだまだ欠かせない。
(文:小澤祐作)