5-0でも「それほど圧倒できなかったという印象」を抱いた理由
結果的には5-0の大勝だが、角田にとっては手放しでは喜べない結果だったという。
「内容含めて修正点はまだまだある。チームも含めですけど、個人も1ランク、2ランク、プレーの質を上げていかなければいけないと痛感した。5-0で勝ちましたけど、内容的にはそれほど圧倒できていなかったかなという印象です」
謙遜ではなく、これがリアルな自己評価なのだろう。できたことを自信に変え、できなかったことを課題に挙げるという作業を試合直後のわずかな時間で整理する。これはサッカー選手が成長していくために必要な能力の1つなのかもしれない。
3月は日本代表メンバーに選出されるも、怪我で活動に参加できず、直後には体調不良で欠場するという不運にも見舞われた。1999年生まれの角田にとって2023年は厄年だが、これで厄は落ちたと思いたい。
「日本代表に選ばれて辞退してしまったのは過去のことで、やっぱりまたチームで1つひとつ経験を積み重ねていきたい。もっとチームで絶対的な選手として活躍したいという思いが強くて、1個1個やり続けた先にそういうもの(日本代表)が見えてくると思う。まずはこのチームで結果を残すことに集中したい」
開幕から6試合で2敗を喫したマリノスにとって、この横浜ダービーは絶対に落とせない試合だった。頼れる23歳のセンターバックの活躍は、マリノスの躍進を加速させていく。
(取材・文:加藤健一)