角田涼太郎が語る課題と手応え
後半開始時に投入された藤田譲瑠チマは、相手のパスがずれたところを拾ってすぐに縦パスを入れる。これはカットされてしまったが、マルコス・ジュニオールが素早く寄せてボールを奪う。アンデルソン・ロペスへ渡してリターンをもらい、左足でゴールに流し込んだ。開始わずか1分ほどで先制ゴールが生まれた。
角田が言う「ファーストディフェンス」がゴールという形で結実した最高の例となった。マリノスはこの後、怒涛の攻撃で4点を追加し、5-0で快勝している。スコアから見るに攻撃陣がフォーカスされがちだが、ディフェンスが機能したからこそ攻撃力が増したと言った方がいいだろう。
いい守備はいい攻撃を生む。その変化は最終ラインからの組み立てにも表れていた。73分の4点目はセンターバックの畠中槙之輔からのロングフィードを水沼宏太が受け、中央のエウベルが水沼からパスを受けて決めたもの。後半は両センターバックの攻撃面での活躍も光っていた。
「前半は自分たちが停滞してしまう時間が長くて、相手の脅威になっていなかった。センターバックの球出しも含めて素早くやろうと意識しながら裏を取ったり、後半はやりたいことがおおよそできていたのかなと思う」
角田の良さが出たのは65分の場面。敵陣左サイドのスローインの流れからパスを受けた角田は、ボールをするすると運びながら相手3人を引きつけ、永戸勝也へパスを送る。マルコス・ジュニオールを経由してスルーパスに反応した角田は、ペナルティーエリアに侵入してして左足でゴールを狙った。惜しくもシュートは相手GKに弾かれたが、スペースが見えているからこそ狙える攻撃参加だった。