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第10回「サッカー本大賞2023」の授賞式が開催! 各受賞作品は?

text by 編集部 photo by Kanzen

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サッカー本大賞



 第10回「サッカー本大賞2023」授賞式が5日、オンライン配信により行われた。今年度のサッカー本大賞をはじめとした各賞の受賞作品が発表され、優秀賞9作品の表彰も行われている。

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 数々のサッカー本を抑え「大賞」に選ばれたのは、競争闘争理論 サッカーは「競う」べきか「闘う」べきか?(ソル・メディア)となった。本賞の選考委員を務めた幅允孝氏は「サッカーの言葉って曖昧に使われていることが多いので、1個1個の定義を自分の中で確認しながら周りにも伝わるようにするという工夫がとにかく良かった。あとはエディトリアルデザインが優れているなと。言葉だけではなく、言葉と言葉の関係を視覚化するというところの工夫もなされている本だったので、スッと読めた。彼(河内一馬氏)の築き上げた哲学が伝わった」と評した。

「大賞」受賞となった著者の河内一馬氏は「この度は、サッカー本大賞の『大賞』を受賞させていただいたとのことで、大変嬉しく、光栄に思います。自分が初めて書いた本をこのような形で評価していただけるとは思っていなかったので、驚いています」と喜びのコメントを残した。

「特別賞」には2作品が選出されている。

 1作品目は選考委員を務めた陣野俊史氏が「女子サッカーの歴史を通史的に書いた本は、じつはとても少ない。これまでこの手の本を探していたが、少なくとも日本語ではなかった。知らないことがいっぱい書かれている」と評した女子サッカー140年史:闘いはピッチとその外にもあり(白水社)。著者はスザンヌ・ラック氏、訳者は実川元子氏だ。

 2作品目は「本書は、サッカー場でしか役に立たないヘンテコな言葉たちを、世界80の国と地域で集めた事典。その膨大な手間暇に心からの敬意を」と選考委員の金井真紀氏が評価したDO YOU SPEAK FOOTBALL? 世界のフットボール表現事典(イースト・プレス)。著者はトム・ウィリアムズ氏、訳者は堀口容子氏だ。

 翻訳本を対象とした「翻訳本大賞」にはバルサ・コンプレックス “ドリームチーム”から“FCメッシ”までの栄光と凋落(ソル・メディア)が選出されている。翻訳を務めた山中忍氏は「受賞の知らせを受け、大変光栄に思っております。30年近く前、デビュー作を読んで以来のファンであるサイモン・クーパー作品での受賞に喜びも一入です。冬のロンドンで翻訳を進めながら、眩しい日差しを羨んだり、リオハの赤ワインを買いに走ることもあった、ピッチ上を超越したバルセロナのリアルを日本語でも愉しんでいただければ幸せです」と喜びのコメントを残した。

 フットボールチャンネル上での読者投票で最も得票数が多かった本に贈られる「読者賞」にはセリエA発アウシュヴィッツ行き~悲運の優勝監督の物語(光文社)が輝いた。選考委員の佐山一郎氏は「歴史の絨毯の下に履きこまれた真実にヒューマニズムの光を当てた労作。ファシズム吹き荒れる1920年代から30年代にかけての欧州フットボール界の実相にも光が当たり、資料的価値も十分。翻訳にこぎつけた小川光生さんは大きな仕事をされました」と称賛を惜しまなかった。

 その他の優秀作品5作品は以下の通り。

戦争をやめた人たち 1914年のクリスマス休戦(あすなろ書房)
鈴木まもる(著)

TACTICAL FRONTIER 進化型サッカー評論(ソル・メディア)
結城康平(著)

ONE LIFE ミーガン・ラピノー自伝(海と月社)
ミーガン・ラピノー(著)、栗木さつき(訳)

フットボール代表プレースタイル図鑑(カンゼン)
西部謙司(著)

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