ロベルト・デ・ゼルビ(イタリア)
【写真:Getty Images】
生年月日:1979年6月6日(43歳)
現職:ブライトン(イングランド)
昨年9月にグレアム・ポッターをチェルシーに引き抜かれたブライトンからすれば、絶対に実現をして欲しくないと願っているだろうが、現監督のロベルト・デ・ゼルビにも引き抜きの噂がある。
“イタリアのジョゼップ・グアルディオラ”とも呼ばれるデ・ゼルビは、最終ラインからのビルドアップからフィニッシュまでをデザインできる戦術家だ。ポッター時代のブライトンはチャンスを作っても決めきれないという課題を抱えていたが、新任のイタリア人指揮官はこれをアップデートすることに成功。ポッター時代に培ったビルドアップ能力に加えて、フィニッシュワークの部分でも戦術を落とし込み、ブライトンを勝てるチームへと成長させた。
フィニッシュに課題を抱えているのは、現在のチェルシーも同様である。ポッター政権でのラスト試合となった第29節アストン・ヴィラ戦では、27本ものシュートを放ったが、最後の精度を欠いて無得点に終わった。デ・ゼルビにはポッターのチームをアップデートさせたという経験があり、チェルシーはこの実績を評価していることだろう。また今冬に加入したミハイル・ムドリクとはシャフタール・ドネツク時代に師弟関係を築いていた。新天地で悩めるウクライナ代表FWにとっても好材料となるかもしれない。
ただ、ブライトンは1シーズンに2度の引き抜きは是が非でも避けたいところだろう。だが今回ばかりはその心配をする必要はなさそうだ。移籍ジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏によると、ブライトンはデ・ゼルビとの契約で、“シーズン中の引き抜きができない“という条項を設けているとのこと。仮にイタリア人指揮官がチェルシーに仕事場を移すとしても、それは最速でも来季からとなるだろう。
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