ルイス・エンリケ(スペイン)
【写真:Getty Images】
生年月日:1970年5月8日(52歳)
現職:無所属
バルセロナ時代にUEFAチャンピオンズリーグ(CL)制覇の経験があるルイス・エンリケもチェルシーの新監督候補の一人だ。このスペイン人指揮官は昨年のカタールワールドカップで、スペイン代表がベスト16で敗退したことに伴い退任しており、現在は無所属の状況が続いている。
ルイス・エンリケはモダンな監督だ。バルセロナとスペイン代表では、ボールを保持するというスタイルを継承しつつも、状況に応じてはボールを奪ってから最短距離でゴールに迫るカウンター戦術で結果を残してきた。特にスペイン代表ではハイプレス、ハイラインという現代サッカーのトレンドを取り入れ、即時奪還からのショートカウンターでゴールを陥れる場面が良く見られた。
チェルシーのようなタレントが集まるクラブにおいてはピッチ内外でのマネジメント力が試されるが、ルイス・エンリケはトッププレイヤーの扱いに慣れている。特にこのクラブはオーナー交代の影響で、ロマン・アブラモビッチ前体制時に契約した選手と現体制で契約した選手の契約内容に大きな差があり、特に給与面では格差ができてしまっている。ルイス・エンリケは主将のセサル・アスピリクエタとも良好な関係を築いており、彼であればマネジメントが難しいチェルシーでも一つのチームにすることができるかもしれない。
また契約満了での退任のため、違約金等が必要ないのは金銭的に大きなメリットと言えるだろう。本人も以前からプレミアリーグでの指揮を望む発言をしており、早く現場に戻りたいという意欲も見せている。一方で家族はプレミアリーグ行きを望んでいるとは限らない。ルイス・エンリケは2013年に受けたインタビューで「妻はバルセロナ出身で太陽が好きだから、この気候は好きではないだろう」と語っており、この影響でプレミアリーグのクラブからのオファーを拒否した過去も伝えられている。これまで多くの外国人がイングランドの気候に順応することに苦戦しており、ルイス・エンリケの家族にとっては重要な論点になりそうだ。