丸1年ゴールがない上田綺世
ウルグアイ代表戦では上田のポストプレーから伊東純也が倒されてPKを獲得(その後、オンフィールドレビューにより取り消された)しており、得点シーンでは伊東のクロスに対して、上田がニアで潰れる動きがあったからこそ、ゴールを決めた西村拓真がフリーになっている。コロンビア代表戦の三笘薫のゴールにしても、町野修斗の動きが時間とスペースを生み出している。
ゴールを決められるに越したことはないが、ゴールがないからと言って外すべきという短絡的な結論を出してはいけない。オリビエ・ジルーがいるからこそフランス代表でキリアン・エムバペが活きるのであり、数年前のリバプールでもロベルト・フィルミーノがいるからこそ、サディオ・マネとモハメド・サラーが得点を量産できた。得点やアシスト以外の部分も評価しなければ、チームとしては機能しない。
日本代表にも三笘薫や伊東純也、久保建英、堂安律といったストロングがあり、それを活かすためにはジルーやフィルミーノが必要だ。数字に残らない部分を評価していかないといけない。実際、所属するセルクル・ブルージュではリーグ戦で14得点を挙げており、単純に決定力がないと片づけてはいけないことも明らかだ。
上田は「それ(得点)が僕らのタスクならそれをやるべきだし、ポストプレーを求められているならポストプレーをやる。そこでゴールを狙うことはエゴではない」とセンターフォワードとしての役割を理解している。
とはいえ、決定機を逃しているという事実も忘れてはいけない。味方を活かす役割をこなしつつゴールも決められるようになれば、上田はもう1つ高い次元のFWへと成長する。
(取材・文:加藤健一)
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