森保ジャパン・バージョン2.0の種
古橋のフィニッシュ力は疑問の余地はない。2021年のJ1では、わずか21試合出場ながら15ゴールを挙げて得点王となり、今シーズンのスコットランドリーグでは1試合平均1ゴール以上を記録している。
ただ、スコットランドリーグは過去37年間(まもなく38年になる)でたった2つのチームしかタイトルを獲得していない不均衡なリーグだ。果たして、国際試合で貢献できるほどシャープなレベルに保たれているのだろうか。今のところ、森保監督はそう考えていると思われる。
もちろん、古橋が今後数ヶ月のうちに、日本代表のために力を発揮する機会を再び与えられないとは言っているわけではない。森保監督が3年後に北中米に連れて行くメンバーは、今回の26人とは大きく変わってくるだろう。
例えば、2018年ワールドカップ後の最初の日本代表を考えてみよう。
東口順昭、槙野智章、佐々木翔、室屋成、三浦弦太、青山敏弘、中島翔哉、小林悠、車屋紳太郎、天野純、三竿健斗、伊藤達哉、杉本健勇(その後ケガで離脱)。実にこの13人が、2018年9月11日のコスタリカとの親善試合(4日前のチリ戦は北海道地震の影響で中止)に名を連ねた。
最終的に昨年のカタール大会に出場した選手はいなかったが、山口蛍と大島僚太が辞退し、その代役として(天野とともに)投入された守田英正は、その後、チームの中心選手として活躍した。
世代交代は見た目以上に緩やかなものであり、国際チームの構成は選手の調子や体力の変動に合わせて、予選の過程で大きく変化する。
今回のチーム構成やこの2試合の結果から何らかの結論を導くことはできない。しかし、森保ジャパン・バージョン2.0の種は蒔かれた。ここからどのように成長していくのか、楽しみである。
(文:ショーン・キャロル)
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