遠藤保仁が見た現状と補強禁止の影響
「J1にいなければならないクラブですから。1年で上がるのはマストだと思います」
降格したチームは通常、それを実現するための有力候補と見なされる。しかし、磐田は昨年、ファビオ・ゴンザレスを獲得した際の不正行為により、直後の2度にわたる移籍禁止処分を受けたことが問題をやや複雑にしており、新シーズンに向けて選手を迎え入れることができなかった。
「補強できないという部分では、自分たちが同じメンバーでチーム力が高めてくるという面ではメリットかもしれない」と松原は言う。「例えばこういうゲームの時に後半入って、切り札みたいな選手がいればもっとうちの展開になったかもしれない」
磐田で唯一のフレッシュな顔である17歳のFW後藤啓介は、ホームでファジアーノ岡山に3-2で敗れた開幕節で、後半に決勝点を挙げ、鮮烈な自己紹介をした。
この17歳は大宮戦でも後半26分から出場し、ファイナルサードで生き生きとしたプレーを見せた。しかし、10代の若者がジュビロというチームの期待を背負うことができるのかどうかは、まだわからない。
その一方で、磐田には日本代表最多キャップホルダーである遠藤もいる。43歳の遠藤は一撃に泣いた埼玉の地でも、驚くべきほど冷静だった。
「この試合は、勝ち点3を取るべき試合だったと思います。3、4、5点取れたと思うし、取っていたら結果は絶対に違う。でも、これがサッカーだから」
「チャンスが増えたのは良いことだから、しっかりゴールを決めないと」
もし、今週末に行われるJ2初の静岡ダービーでいい結果を残すことができれば、彼らのシーズンは間違いなく本当の意味で一発逆転を果たすだろう。しかし、エコパスタジアムで行われる清水エスパルス戦でも同じようなことをすれば、静岡の空に暗雲が立ち込めることは間違いないだろう。
(取材・文:ショーン・キャロル)
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