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久保建英を先発で使うべき2つの理由。大一番でベンチ、疑問だらけの謎采配【EL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

久保建英を先発で使うべきだった理由


【写真:Getty Images】



 モウリーニョ監督率いるローマは守備時5バックになる。ソシエダのサイドバックに対してはウィングバックが出て対応するため、その背後のスペースは空きやすかった。

 ソシエダは何度かその空間を狙っていた。誰が狙っていたのか、それはセルロートだ。中から外へ走り、後方からパスを呼び込むことが何度も見られた。

 しかし、その役割はセルロートに不向きである。巨体には似合わぬスピードは持っているが、ボールを収めた後の1対1には強くなく、ゴールを脅かすようなクロスやスルーパスのスキルも高くはない。そもそもストライカーであるセルロートをゴールから離してしまうこと自体がもったいなく、ローマ戦でシュート1本に終わったのもそれに関係しているだろう。

 セルロートと同じようなタスクを担うなら、まさに久保が適任だ。サイドに流れてボールを収めた後にはキレの良いドリブルで1対1を仕掛けることができ、そこからのクロスやアイデアも光るものがある。セルロートには縦があるが、久保には縦もカットインもある。ここも明白な違いで、どちらがDFにとって嫌かと言えば、答えは簡単だろう。

 好調だった久保とセルロートの2トップ時は、前者が幅を取る動きを見せていたことで、セルロートが中央でフィニッシャーとしての役割を全うすることができていた。巨人FWがゴールを量産できていた理由とも言っていいだろう。しかし、ローマ戦では久保の役割をセルロートが、セルロートの役割をオヤルサバルが担ったことで、チグハグになったのである。とくにセルロートは、単にコンディションの問題もあるはずだが、どこかやりづらそうな印象を受けた。

 こうした選手個々の役割に関しても、アルグアシル監督の疑問采配の1つだった。とにかく今は我慢の時だが、指揮官はどう動くだろうか。

(文:小澤祐作)


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【了】

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