W杯でも問題となった鎌田大地の守備
鎌田はこの日、2失点に絡んでしまった。
1失点目は、自陣でボールを失ってしまったことがきっかけだった。そして2失点目は、ボックス内で奪ったボールを中央にクリアしてしまったことが原因の1つとなっている。当然ながら鎌田1人の責任ではないが、そこにフォーカスされ批判されても仕方のない結果にはなったと言える。
ただ最も気になったのは、自陣でボールを失ったことでも、中央にクリアしたことでもない。1失点目の直前のプレーだ。
この得点は、セバスティアン・ローデに当たってこぼれたボールをスタニスラフ・ロボツカが拾って右サイドのマッテオ・ポリターノに展開し、そこからのクロスをヴィクター・オシムヘンが頭で合わせて生まれたものである。
鎌田はこぼれ球を拾ったロボツカの近くにいたが、プレッシャーは十分ではなく、相手がパスを出すタイミングでも足を出すことすらなかった。決して届かない距離ではなかったため、足を伸ばしていればロボツカのパスはあれほど綺麗にポリターノへ渡っていなかっただろう。
鎌田は守備が下手ではない。相手がボールを運ぶコースを予測し、体を上手く入れて奪い切る力は持っている。しかし、良くも悪くも力が抜けており、肝心なところで強度が物足りないと感じる部分が多々あるのも事実。FIFAワールドカップカタール2022でも寄せの甘さに関しては様々な意見が出ていた。
上記のロボツカへの対応も様々な見方があるだろう。見ていない方はもちろん、試合をチェックした方ももう一度このシーンを振り返り、どう感じたかぜひ教えてほしいものだ。
(文:小澤祐作)
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