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「PKはサッカーではない」と切り捨ててしまうのは簡単なことだが、重要な試合の決着方法として用いられている以上、勝つための方法として最善を尽くすのがプロというもの。『フットボール批評issue39』では競技規則の観点からPKを見つめ直し、ルール上「やっていいことと、してはいけないこと」を整理している。ここではそれを一部抜粋し、2回に分けて公開する。(文:攻劇)
意外と細かい? PKルール
ペナルティーキック。略してPK(ピーケー)。サッカーファンには、おなじみの事象だが、先のカタール・ワールドカップや全国高校サッカー選手権など、比較的サッカーファン以外の目に触れる大会で、PK戦が頻発したことで改めて大きな注目を集めた。
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ここではPKに関する競技規則を確認し、試合観戦や実際のプレーに役立ててもらえれば幸いだ。
サッカーの競技規則はわずか17条で構成されており、PKのルールは第14条に独立して示されている。キッカーがペナルティーマークにボールを置き、GKがゴールライン上に立ち、ほかの選手はペナルティーエリアの外に出る。PKのルールで思いだされるのはこれだけかもしれないが、実はそれだけではない。試合結果に影響を与えることも少なくないこのセットプレーにはボールをセットしてから実施されるまでの流れ、反則となる行為が細かく規定されている。
まずはキッカーに関して紹介していく。大前提として、PKを行う選手は特定されていなければならない。特定されていない選手がPKを行った場合は当該選手にイエローカードが提示され、守備側の間接FKで再開される。PKが決まったかどうかは判定に影響せず、一律でイエローカードが提示されるのだ。
2010年のJ1第1節サンフレッチェ広島対清水エスパルスでは、DF槙野智章がボールをセットするも、FW佐藤寿人がキックして得点するという事案が発生した。当時、主審は得点を認めたが、のちに審判委員会が反則だったと明言した。現在はレフェリーブリーフィングなどを通じて判定の公式見解が示されることも少なくないが、当時としては異例の誤審認定に。この基準は現在も変わっていない。
<雑誌概要>
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特集:眠れないほど罪深い「PK戦」の話
10年間ご愛読ありがとうございました
まずはじめに言っておきたいのは、「PK戦」は面白いものではない。ペナルティー=罰という名称からして、そこかしこにネガティブな要素が散乱している。いい例として、観ている側は「アイツ、決めそうだな」とは言わずに「アイツ、外しそうだな」と言う。サッカー好きでなくとも戦犯を血祭りに上げられる残酷なシステムが面白いわけがないのだ。
それゆえ、特集企画のほとんどはネガティブなアプローチから生まれたような気がしている。冒頭のPK戦廃止論から始まり、脳のストレス、ルールのグレーゾーン……。そう、特集名どおり、まさに罪深い企画のオンパレードである。しつこいようだが、最終号となる本誌を読了したとて「PK戦」が面白くなることはない、と断言しておく。
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