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三笘薫はもう手に負えない。なぜリーズ戦で輝けたのか? 報復するかのごとく圧倒【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

三笘薫がエイリングを圧倒



 ブライトンが先制点を決めた33分の場面では、逆サイドからのふんわりとしたクロスに対して三笘がエイリングに競り勝ち、マクアリスターへとアシストしている。

 この場面でリーズの右SBは日本代表FWに対して、簡単にジャンプをさせ過ぎており、その結果、ヘディングでも正確な折り返しのパスを出されていた。

 43分にはブライトンの左SBペルビス・エストゥピニャンが三笘の背後へとロングパスを供給するのだが、その際にエイリングは全くマークについておらず、日本代表FWはそのまま独走してマクアリスターへとマイナスのクロスを折り返した。最後、三笘のラストパスを受けたアルゼンチン代表MFがシュートを外してしまったため、得点とはならなかったが、この場面も両者の相性が顕著に出た場面だった

 そして61分の得点シーンの場面、ここでも三笘とエイリングはマッチアップした。ボックス内で対峙した両者だったが、止まっているところからの縦への加速にエイリングはついていけず、グラウンダーのクロスを許した。このクロスをリーズの守備陣が立て続けにクリアミスを犯し、ブライトンに2得点目が生まれている。

 76分にも同じくボックス内で両者は対峙し、この場面でも三笘が深い切り返しでエイリングを圧倒した。リーズのガルシア監督は本来のコンディションであれば、対人戦に強いラスムス・クリステンセンを“三笘対策”として起用したかっただろうが、同選手はカタールワールドカップ以降コンディション不良が続いており、エイリングを使わざるを得ない状況にある。リーズからすると、最後の最後まで三笘を止める方法を見つけられなかったことが、ホームで勝ち点2を失った結果に直結している。

 これを逆に捉えると、この試合の三笘薫は90分間手に負えないアンストッパブルな存在だったのだ。プレミアリーグ挑戦から1シーズンも経っていないが、三笘は本当に止めることが困難なスーパーな選手へと成長している。

(文:安洋一郎)

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