三笘薫が活躍できた理由
この試合で最初に三笘がスーパーなプレーを魅せたのは、攻撃ではなく守備だった。
28分に左サイドのジャック・ハリソンが上げたクロスが逆サイドまで流れると、この試合で三笘とマッチアップすることが多かった右SBのルーク・エイリングがボールに対して詰めて、シュートモーションに入った。
この絶体絶命のピンチを三笘は全力の帰陣でエイリングのマークを見失わず、シュートを打たれる直前に身体を入れて失点を防いだ。三笘が戻っていなければ、先制点を献上していてもおかしくはなかった。
エイリングと三笘の相性は、後者にかなりの分があった。エイリングは攻撃参加が得意な選手で、果敢なオーバーラップからのクロスやシュートなどに魅力がある選手だ。一方で守備面では、ポジショニングの誤りやテクニシャンを相手とした対人戦の弱さなどの課題を抱えている。
これらの特徴を踏まえると、三笘が守備でエイリングを封じることができた場合、相性的にはかなり有利なのだ。
三笘は27分の場面こそ、エイリングに股抜きドリブルを許したが、それ以降、報復するかのごとくリーズの右SBを圧倒するのだった。