開幕から1分2敗。香川真司はチームをどう見ているのか
「前半はいい試合展開で進められたんですけど耐え切れなかった。自分が入ってから上手く打開できるかなと思っていたんですけど、最初に失点してからはみんなもなかなか前へ行けずに難しい試合になった。浦和にもいいテンポでボールを回され始めて、ちょっと苦しい時間帯が続いていたので」
試合後のロッカールームでは緊急ミーティングを実施。積極的にプレスをかけたい前の選手に対して、後ろの選手はプレスをかけた途端に蹴られるロングボールを警戒して自重する。チーム全体の守備に対する考え方のズレを、早急に修正したかったからだ。香川が続ける。
「前から行く、という意識をなかなか共有できず、チーム全体として前へ行けなかった。ただ、もう切り替えていくしない。今日も60分、70分まではいい試合ができたし、いい部分もしっかり出せていた。もちろん課題もあるけど、次はルヴァンカップがある。いろいろなことを試せる場所だと個人的には思っているし、何よりもホームで勝ち点3を取りたい」
昨シーズンもリーグ戦では開幕から2分1敗と出遅れた。対照的にグループステージを3連勝で発進したルヴァンカップでは、2シーズン連続で準優勝をマーク。存在感を放った選手たちがチーム内の競争を煽る相乗効果をもたらし、リーグ戦も5位でフィニッシュした。
FC東京戦から中3日の12日には、サガン鳥栖を再びホームに迎えるJ1リーグの第4節が待っている。ホームでの連戦を浮上のきっかけにしたいと小菊監督も意気込む。
「この2試合をチーム全員による総力戦で乗り切って勝利をつかみたい。そのなかでもちろん競争があるし、自分の力でチャンスを勝ち取った選手たちで、まずは明日のルヴァンカップ初戦に挑みたい。その結果が週末のリーグ戦にも繋がっていくと期待しています」
今シーズンで初めて、昨シーズンを含めれば浦和に4-0で快勝した9月25日のルヴァンカップ準決勝第2戦以来となる公式戦での白星を手にするために。セレッソの浮沈を託される、といっても過言ではないFC東京戦の先発メンバーに、2010年5月15日のヴィッセル神戸とのJ1リーグ戦以来、実に4680日ぶりに国内公式戦で先発を果たす香川がいるのだろうか。
(取材・文:藤江直人)
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