75日間で21試合の異常な“過密日程”の影響
今季のユナイテッドは順調に全カップ戦で勝ち進んでおり、先週にはカラバオ・カップのタイトルを獲得した。その一方で異常とも受け取れる“過密日程“に直面している。
カタールワールドカップが明け、再開初戦となったのがバーンリーとのカラバオ・カップ4回戦。この試合が行われてからリバプール戦までの75日間で21試合を消化しているのだ。3.75日間で1試合、多い時には1週間で3試合行われていたことになる。
試合になると選手たちはアドレナリンもあって疲労度を感じさせないプレーを見せてくれるが、今節のように立て続けの失点など、集中力を失うようなショッキングな出来事が起きるとその魔法が解けてガタっとくる。
リバプールとの一戦では後半開始直後の失点で選手たちのスイッチが切れた。前半はしっかりとプレスバックを行っていたようなシーンでも戻らなくなり、ボールを奪われてからのプレッシャーも緩いし遅い。特に中盤で外せない存在であるカゼミーロの疲労度はかなり深刻に感じた。
ユナイテッドはこの先も9日にベティスとのUEFAヨーロッパリーグ(EL)決勝トーナメント1回戦、12日にサウサンプトンとのプレミアリーグ、16日にベティスとの2ndレグ、18日にフラムとのFAカップと複数の大会を過密日程でこなすスケジュールが組まれている。テン・ハフ監督らスタッフは選手に対して、この“疲労度”に加え、優勝から0-7での大敗による感情の浮き沈みを原因とした“メンタル面“のケアなど、様々なサポートを行う必要があるだろう。
幸いにもこの試合、ユナイテッドは7失点を喫したとはいえ、リバプールのゴール期待値(シュートチャンスが得点に結びつく指標)は2.91と、そこまで深刻なものではなかった。「ツイていなかった」と切り替えて、次に進むことが大事だ。
(文:安洋一郎)
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