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ドリブル封印? 警戒を上回る三笘薫の進化とは。圧勝のブライトンで光る意外な判断【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

警戒されているからこそ…。三笘薫の進化とは?



 三笘は18分、巧みなコントロールからジャロッド・ボーウェンのファウルを誘発しチームにPKをもたらすと、69分にはパスカル・グロスのクロスを押し込んで試合を決定づける3点目を奪ってみせた。また、精力的なプレスでも貢献と、ピッチ内での存在感は絶大だった。

 日本人ドリブラーの凄いところは、課題を見つけてからそれを修正するまでが異常に早いこと。それはこのウェストハム戦でも感じられた。

 以前までの三笘はボールを持つと、やはり自慢であるドリブル突破を優先していたが、ウェストハム戦ではそうした素振りを見せることが少なく、シンプルにパスを捌いたり、中央での効果的な動きを繰り返したりと実に多彩だった。これは、最近になって相手の対応が厳しくなってきたことで、より多くのプレー選択肢を見せる必要があったからとも考えられるだろう。

 印象的だったのは53分のカウンターのシーン。中央でフリーだったため、そのままドリブルで突っ込むかと思いきや、早めに右サイドを上がったエバン・ファーガソンにボールを預けている。ファーガソンはそのスピードを落とさぬままフィニッシュへと持ち込んでいるため、カウンターは成功した形。三笘の少し意外な判断が光った瞬間だったと言っていい。

 そして、三笘があえて縦突破をみせなかった効果はあった。82分、タッチライン際でボールを受けると、対峙したベン・ジョンソンはそれまで三笘が仕掛けてこなかったからか、縦ではなくパスコースを切るポジショニングをした。背番号22はそれを逆手に取り、ドリブルで縦に抜け出し、ボックス内に侵入。最後のクロスは味方に合わなかったが、ゴールへの可能性を感じさせた。

 これからもドリブルを警戒されることは間違いない。しかし、ウェストハム戦で示した通り、三笘はドリブルだけの選手ではなく、より幅広いプレーで魅せることができるようになっている。今後、より多くのDFにとっての悩みとなってくるだろう。

(文:小澤祐作)

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