「それは自分にはないもの」満田誠が直面する課題
「(エウベルを)外に切ろうかと迷って中途半端なプレーになってしまって、それが失点につながったのは自分のミス。チームの勝ち点3を取りこぼす要因になってしまったので、そこは反省するところだと思います」
このあたりの対応はやはり急造・右サイドのマイナス面ではないか。左右のサイドと中央をマルチでこなせる選手になるためには、直面した課題を1つ1つ克服していくことが肝要だ。
ただ、この場面以外の満田は攻守両面で献身的なプレーを披露。時折、鋭い縦への侵入も試み、マリノス守備陣を脅威に陥れるなど、「目に見える違い」を示していたと言っていい。この日、視察に訪れた日本代表の森保一監督、名波浩コーチも一目置いたのではないだろうか。
後半25分に中野就斗が入ってからは2シャドーへ移動。右サイドをうまく使いながら追加点を貪欲に狙う仕事も担った。特に終盤、相手の永戸勝也がOFR(オンフィールドレビュー)で退場。11対10の数的優位になってからはアグレッシブさが一段階上がった印象だった。
最終的には1-1のドローと今回もまた白星はお預けになったが、満田が試合中にポジションを変えながら、臨機応変にプレーできる選手だということを示したのは事実。その部分はカタールワールドカップ(W杯)で複数ポジションに入ってフル稼働した伊東純也に通じるものがあった。
「伊東純也選手は爆発的なスピードがある。それは自分にはないものなので、その分、周りと連係しなきゃいけない。それがうまくできたシーンではサイドを突破してチャンスも作れていたので、そういう形を増やさなきゃいけない。それとクロスの質とフィニッシュの精度。そこを引き上げていくことが重要だと思っています」と彼はやるべきことを明確に見据えている様子だった。