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Jリーグ 2年前

なぜDMMはDAZNと組んだのか?「値段を上げざるを得ない」スポーツ配信市場の実情とは【村中悠介COOインタビュー前編】

シリーズ:DMM村中悠介COOインタビュー text by 加藤健一 photo by Getty Images

「どれだけ企業努力しても値段を上げざるを得ない」事情とは?

 村中氏はベルギー1部シントトロイデンの経営とアビスパ福岡取締役を兼任しており、スポーツ配信業界の事情に明るい。「どのリーグもどのスポーツも、放映権収入というのは大きな割合を占めている。需要が高いのと同時に、クラブも価値を上げていかなければいけないので、この何年かで放映権料もおのずと上がっている」と、配信プラットホームの実情を冷静に分析している。

「たとえどれだけ企業努力しても、ユーザーにとっての需要と供給のバランスに(価格が)合わなくなってしまっているというのが現実だと思う。そうなると値段を上げざるを得ない。でも、UEFAチャンピオンズリーグも全部見られるけど7000円にしていいか、ということでもないと思う」

 トータルで考える必要はあるが、ビジネスである以上、需要と供給のバランスが価格という形で跳ね返るのは、市場原理としては自然な形であることを理解しなければいけない。DAZNが多くのサッカーコンテンツを占めていた時期もあったが、ここ2、3年で複数のサービス事業者が参入した。おのずと競争原理は働くことになり、寡占状態よりもユーザーにとってメリットは生まれやすい状況となるはずだ。

 そして、昨年行われたFIFAワールドカップカタールは配信事業という点でも大きなトピックとなった。日本代表がドイツ代表やスペイン代表を破ってグループリーグを突破しただけではなく、ABEMA(アベマ)による全試合無料生配信や、試合データの提供、そして話題を呼んだ実況・解説など、様々な要因が国内で盛り上がった要因として挙げられる。

 同じくエンタメプラットホームを運営する村中氏は、ABEMAのワールドカップ配信を「スポーツ界にとっては大きな一歩」だったと見ている。

「たぶんABEMAさんも模索しながらだったと思うんですけど、(従来の)テレビ放送以上の体験を提供できたと思う。テレビじゃなきゃ見られなかったという常識を覆したし、僕らもプラットホーム側として学ぶところがある」

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