アーセナルを支える2つの心臓
ジョルジーニョはチーム最多の3度のタックルを成功させている。主にオンボールの攻撃面での貢献度がフィーチャーされることが多いが、守備におけるパフォーマンスも出色だ。的確なポジショニングで危険なエリアを埋め、味方のプレスで追い込んだ先にジョルジーニョが待ち受けてボールを奪回するシーンはこの試合だけでも何度もあった。
もちろん配球者としての能力にも疑いの余地はない。チームトップタイの86本のパスを供給し、ロングボールは7本すべてを成功させている。3トップと2人のインサイドハーフの後方に立つ者として、これほどないパフォーマンスを見せていた。
ボール保持時のアーセナルは3トップと2人のインサイドハーフが流動的に動き、その後方で左SBのオレクサンドル・ジンチェンコとアンカーのジョルジーニョがサポートする。アーセナルにとってはこの2人こそが全体に血液を送る心臓となっている。
そして、この日はトーマスが戦列に復帰している。2つの心臓によって、アーセナルは高いレベルのパフォーマンスを維持させることができる。冨安健洋がスタンバイする最終ラインも過密日程に耐えうる選手層となっている。トロサールの最前線起用も収穫の1つで、ガブリエウ・ジェズスが戻ってくれば攻撃陣のバリエーションは増える。
3月からはUEFAヨーロッパリーグの試合も平日に組み込まれ、プレミアリーグの優勝争いも佳境を迎える。冬に加わった2人の実力者によって、アーセナルはまだ進化する。そう思わせる90分だった。
(文:加藤健一)
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