守備陣よりも酷かったのは?
ただ、フランクフルトの脆さは守備面だけに留まらない。攻撃面も散々だった。むしろ、こちらの方が深刻かもしれない。
昨季のヨーロッパリーグ(EL)でバルセロナを破った時は、5-4-1のブロックを敷き、奪ってから着実に前へ運ぶことができていた。フィリップ・コスティッチと鎌田の存在がとくに大きかったのだ。
しかし、今はコスティッチがおらず、鎌田もボランチにポジションを下げた。カウンター時にボールを運べるのはランダル・コロ・ムアニのみで、あまりに同選手に頼りすぎていた。ナポリにとっては的が1つの状態なので対応しやすいだろう。
ビルドアップも、前に効果的にボールを供給できていたのは贔屓目なしに鎌田くらいで、他の選手はほぼパスを引っ掛けていた。ナポリにショートカウンターを浴びたのは両手で数えきれないほどあり、オシムヘンの先制ゴールもマリオ・ゲッツェの不用意なパスミスが原因だった。
試合後にはイェスパー・リンドストロムも「リターンマッチでより多くのものを得るには、とくにボールを保持している時に冷静になる必要がある。今夜の僕たちは簡単にボールを奪われてしまった」とコメントを残していた。オシムヘン、クワラツヘリア、ロサーノと、スピードとクオリティーを兼ね備える選手が揃うナポリ相手にショートカウンターの機会をこれでもかと与えてしまったのは、あまりに致命的だったと言わざるを得ない。
フランクフルトは0-2の状態でアウェイでの2ndレグに挑まなければならず、しかも頼りのコロ・ムアニは出場停止となる。ベスト8進出は難しそうだ。
(文:小澤祐作)
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