クロップが考える敗因
クロップ監督が語った通り、前半はリバプールのペースだった。アウェイチームより多くの決定機を迎え、「シュートチャンスが得点に結びつく指標」であるゴール期待値も1.86と高い数値を記録した。
しかし、ヴィニシウス・ジュニオールのゴラッソとアリソンのパスミス(ジョー・ゴメスのバックパスが弱かったことも影響)で追いつかれ、前半を2-2で折り返すと、後半開始早々にゴメスが不用意に与えたファウルからあっさりとセットプレーでエデル・ミリトンに逆転ゴールを許した。
このセットプレーの守備も貧弱であり、ゴールを決めたミリトンに対して誰もマークについておらず、フリーでシュートを打たせてしまった。
この失点に関してクロップ監督は「ひどい失点だった。あの瞬間、私たちは勢いを失い、最後までそれを取り戻すことができなかった」と、この試合の勝敗を分けたプレーになったと語っている。
2-3と逆転を許したリバプールは、最低限同点に追いつくために、よりリスクを犯して前がかりとなったが、こうなればマドリーの思惑通りだ。カリム・ベンゼマ、ヴィニシウス、ロドリゴの強力3トップをはじめ、レアル・マドリードには一瞬の隙を突いたカウンターで仕留められる選手が揃っている。実際に55分、67分と立て続けにベンゼマがこの形からネットを揺らして勝負は決した。