システム変更後に安定しないのは…
3-2で勝利した前節のエスパニョール戦後、アルグアシル監督は「怒っている」とコメントを残した。3-0でリードしながら、終盤に一挙2点を失って相手を“復活”させてしまった守備に大きな不満を抱いていたからだ。
その軟弱な守備が今節も露呈してしまった。
ソシエダはオヤルサバルが復帰したこともあり、それまでの4-3-1-2から4-3-3にフォーメーションがチェンジしている。最も大きな違いはやはり中盤の人数で、前者では外側のスペースを使われることはあったが、中央を締めることはできていた。しかし、後者の場合は中盤の人数が減るだけでなく、選手1人ひとりの間が空きやすい。それゆえ中盤で相手を食い止めること、またセカンドボールの回収が困難となり、いとも簡単に深い位置までの侵入を許してしまうケースが増えた。
たとえば62分の場面では、ディエゴ・リコのプレッシャーをかわし中に侵入したカルレス・ペレスに対して誰もカバーリングできず。ズルズルとラインを下げられ、最後はマルティン・スビメンディの背後と脇のスペースを突かれてフィニッシュに持ち込まれている。66分にも、ドリブルでハーフスペースを突いた相手に誰も寄せられず、ハリス・セフェロビッチに背後に抜け出されて決定機を作られている。このように、ファーストDFが外されるとほぼ高確率でシュートに持ち込まれてしまうのが、ソシエダの致命的な弱点だった。
また、終盤のアルグアシル監督のベンチワークが裏目に出てしまったのも痛かった。
1-0でリードしているかつ相手が10人という状況で、アルグアシル監督は80分過ぎに一気に4人の選手を入れ替えた。しかし、ピッチに入った選手のパフォーマンスがことごとく低く、とくにパブロ・マリンはわずかな時間の中で2回も致命的なミスを犯し、セルタに決定機を与えている。相手に「いけるぞ」という雰囲気を作らせてしまったのは確かだった。