DF:ベン・ホワイト(アーセナル/イングランド代表)
【写真:Getty Images】
生年月日:1997年10月8日
今季リーグ成績:22試合0得点2アシスト
リーズで成長し、ブライトンでその評価を確かなものとしたベン・ホワイトの本職はセンターバック。アーセナルでも加入1年目だった昨季は同ポジションでプレーしていた。しかし、今季はローンバックしたウィリアム・サリバが台頭したこともあって右サイドバックにコンバート。今ではSBとしての姿が完全に定着した。
守備面はサッカー日本代表DF冨安健洋の方が上手かもしれないが、攻撃面に関してはホワイトに分があると言っていい。後方から丁寧にゲームメイクすることはお手のもので、冷静に状況を分析しながらパスやムーブを繰り返す。また、機を見た効果的な攻撃参加も光っており、ボールポゼッションを基本とするミケル・アルテタ監督のサッカーにおける重要度は高い。
ブライトンからアーセナルへの移籍金は5850万ユーロ(約70.2億円)とされている。当初は対人守備に不安があったこと、またプレミアリーグでの経験値がそれほど豊富ではなかったことから「高すぎるのでは?」という声も聞かれたが、今ではその金額以上の価値を示していると言っていい。引き続き、冨安にとって強力なライバルとなりそうだ。
DF:ルベン・ディアス(マンチェスター・シティ/ポルトガル代表)
【写真:Getty Images】
生年月日:1997年5月14日
今季リーグ成績:15試合0得点0アシスト
2020年9月、ルベン・ディアスはベンフィカからマンチェスター・シティにやってきた。当時のシティはジョン・ストーンズとアイメリック・ラポルトが負傷離脱を繰り返し、本職中盤のフェルナンジーニョや不安定なニコラス・オタメンディ、エリック・ガルシアを起用せざるを得ないなどセンターバックの層に問題を抱えていて、それを解決すべくスポットライトを当てられた格好だ。
移籍金は7160万ユーロ(約85.9億円)と高額だったが、ディアスはすぐにその価値を証明。187cm・83kgという恵まれた体格を生かして地上、空中問わず対人戦で勝ち続け、ビルドアップでも大きく貢献した。とくに素晴らしかったのが若さを感じさせないリーダーシップで、ヴァンサン・コンパニの抜けた最終ラインを多くの時間をかけずに引き締めてみせた。
在籍3年目の今季も変わらずチームにとって重要なピースとなっている。FIFAワールドカップカタール2022明けは負傷離脱が続いていたが、先日のアーセナルとの首位攻防戦では久しぶりのフル出場を達成。安定したパフォーマンスでシティを3-1の勝利に導くなど、改めて能力の高さを見せつけた。
DF:ガブリエウ・マガリャンイス(アーセナル/ブラジル代表)
【写真:Getty Images】
生年月日:1997年12月19日
今季リーグ成績:22試合2得点0アシスト
近年のアーセナルはエドゥ・ガスパール氏の存在もあって補強がヒット続きだ。昨年夏に加入したガブリエウ・ジェズスとオレクサンドル・ジンチェンコは即戦力としてフィットし、それ以前に獲得していたベン・ホワイトやマルティン・ウーデゴール、ガブリエウ・マルティネッリも今やチームに欠かせない戦力となっている。それは、2020年にアーセナルの一員となったガブリエウ・マガリャンイスも例外ではない。
マガリャンイスは南米特有の身体能力を持っており、非凡なパワーでマッチアップしたFWをねじ伏せることはもちろん、その巨体からは想像できない機動力でサイドバックのカバーリングも的確に遂行できる。また、左利きであることも高く評価されている理由の1つで、希少なタイプゆえに今冬にスペツィアからヤクブ・キヴィオルが来るまで、バックアップすらいない状態だった。
FIFAワールドカップカタール2022に臨むブラジル代表メンバーこそ外れたものの、今季のパフォーマンスレベルはこれまで以上に高い。急成長中のウィリアム・サリバとのセンターバックコンビは定着していて、現在のアーセナルにおける強みの1つとなっている。ミケル・アルテタ監督の元、今後どこまで成長できるか楽しみだ。
DF:テオ・エルナンデス(ミラン/フランス代表)
【写真:Getty Images】
生年月日:1997年10月6日
今季リーグ成績:19試合2得点3アシスト
ここ数年のミランは若手中心に補強を進めており、多くの選手がそのポテンシャルを開花させてきた。2019年に加入したテオ・エルナンデスはその代表格とも言っていい存在であり、移籍当初2280万ユーロ(約27.4億円)とされていた市場価値は今や6000万ユーロ(約72億円)となった。
テオの長所はDFらしからぬ攻撃力だ。爆発的なスピードと強靭なフィジカルを駆使したドリブルの破壊力は申し分なく、昨季の第37節アタランタ戦では自陣からあれよあれよとボールを運んでいき、そのままゴールを奪ってしまうという離れ業を披露している。そのゴールが象徴している通り、大外だけでなく内側のスペースも恐れることなく使えるのが強みで、一列前にいるラファエル・レオンとうまく変化をつけながら連係している。この2人が織りなす左サイドの攻撃力は、ステファノ・ピオーリ監督率いるミランを語る上で欠かせないポイントだ。
フランス代表として挑んだFIFAワールドカップカタール2022では兄リュカ・エルナンデスのアクシデントにより主力に。6試合で1得点2アシストをマークして準優勝に貢献し、その評価をさらに高めた。同大会終了後、疲労の影響でややパフォーマンスレベルが落ちているのは気がかりだが、世界最高峰の左サイドバックであることに疑いの余地はないだろう。