身長166cmの白井康介が「あのサイズで通用するゆえん」
昨シーズンの白井は、あるプレーで京都のファン・サポーターを驚かせた。まだ暑さが残っていた9月の鹿島アントラーズ戦の後半アディショナルタイム。自陣から発動させたカウンターで右タッチライン際を爆発的なスピードで疾走していったのが、右サイドバックで先発していた白井だった。
最終的にはゴールライン際まで到達。グラウンダーのクロスを折り返すも味方には合わず、試合も1-1の引き分けに終わった。曺監督は「その意味で康介はジェネレーターであり、あのサイズで通用するゆえんです」と熱さを認めながら、満足してほしくないともつけ加えている。
「そこに乗っかって他のことを疎かにするのはよくない。クロスの精度を含めて、得点に絡むプレーの精度はもっと高めなきゃいけないし、いまをベースに今年もどんどん伸びていってほしい」
育成というと若手選手が対象になるイメージが強い。しかし、実際には中堅もベテランの域に達しようとしている選手も、成長する余地はまだまだ残されている。京都の場合、モチベーションを「グランドマネージャー」や「ジェネレーター」といった肩書きで上手く刺激している。
余談になるが、新キャプテンに就任した川﨑の後任となる「ヤングジェネレーター」は空席になっている。曺監督はアカデミーから昇格した18歳のDFの名前をあげながら思わず苦笑した。
「植田悠太にやらせたいんですけど、まだ高校生モードなのでちょっと早いかな」
(取材・文:藤江直人)
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