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Jリーグ 2年前

京都サンガ曺貴裁監督の組織論「役職があれば言葉に重みが乗る」「こいつはものになる」と思った瞬間【育成主義2】

シリーズ:育成主義 text by 藤江直人 photo by Getty Images

前キャプテンへの感謝と称賛



 初代グランドマネージャーには28歳のMF武田将平、25歳のDF井上黎生人、そして27歳のMF松田天馬が任命された。3人のうち松田は、曺監督が就任した2021シーズンにJ1の湘南ベルマーレからJ2の京都へ移籍。同時にキャプテンに指名された経緯がある。

 J1への昇格に残留という、波乱万丈に富んだ2シーズンでキャプテンを務めてきた松田へ、指揮官は感謝の思いを込めながらその任を解き、21歳のMF川﨑颯太に継がせたと明かす。

「どちらかといえば天馬はそういうキャラクターじゃないのに、京都のためにキャプテンを引き受けてくれたところがあった。この2年間、京都の選手たちに対して天馬の背中を見せていくのが大事だと僕は思ってきた。決して大きくなくても、それほどスピードがなくても、フィジカルが強いわけでもない選手が自分の力を100%出して努力を積み重ねる姿に寄っていかなければ、このチームの未来はないと勝手に僕自身が思い込んでいた。その意味で天馬は最高の仕事をしてくれたし、だからこそ天馬の重荷を降ろしてあげたい、役割を変えてあげたいという思いが僕のなかにありました」

 鹿屋体育大から2018年に湘南へ加入した松田の最大のストロングポイントを、曺監督は「チームが逆境に直面したときも、自分が上手くいかなかったときも、1ミリも他人の責任にしないところ」と表現してきた。メンタルの強さに、京都がはい上がっていく過程を託した。

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