5位:ナポリ(イタリア)
【写真:Getty Images】
監督:ルチアーノ・スパレッティ
22/23CLグループリーグ成績:5勝0分1敗(1位)
戦力値:83(攻撃力23、守備力21、選手層19、勝負強さ20)
2022/23シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)・ベスト16に、イタリア勢からは3チームが残った。その中で最も期待を寄せられているのが、ルチアーノ・スパレッティ監督率いるナポリだ。昨季王者のミランやユベントスらが不安定な中、南イタリアのチームは開幕から圧倒的な強さを誇示。ディエゴ・マラドーナ氏がいた1989/90シーズン以来のスクデット獲得が現実的なものになりつつある。
今季のナポリはロレンツォ・インシーニェ、ドリース・メルテンス、カリドゥ・クリバリ、ファビアン・ルイスら長くチームを支えてきた選手を一斉に放出。大幅な戦力ダウンが危惧された。ところが、彼らに代わってやってきたクヴィチャ・クワラツヘリア、キム・ミンジェらが即フィットし、予想以上のハイパフォーマンスを披露。主力の若返りを成功させるとともに、戦力を以前よりもアップしてみせた。
スパレッティ・ナポリの長所は圧巻の攻撃力だ。ボールも人もよく動き、恐れることなく積極果敢に前へ出ていくスタイルは見ていてワクワクするものがあり、ヴィクター・オシムヘンやクワラツヘリアの特徴もよく引き出されている。また、後ろに人数を余らせることなく、ピッチに立つ全員が即時奪回への強い意識を持つハイリスクな守備も絶品で、猛烈なアタックを仕掛け続けられる要因となっている。運動量やフィジカル面に関しては、セリエAの中で頭ひとつ抜けていると言っていいだろう。
最終ラインの選手層に少し不安があるとはいえ、主力選手が揃った状態での完成度はCL・ベスト16のクラブの中でもトップクラスと言っても過言ではなく、限られた補強費の中でチームをここまで引き上げたスパレッティ監督の手腕は素晴らしいの一言に尽きる。もちろんCLという舞台はリーグ戦とはまた違ったものになるが、現在の勢いを見る限り、ナポリがビッグイヤーを手にしたとしても不思議ではない。