7位:ベンフィカ(ポルトガル)
【写真:Getty Images】
監督:ロジャー・シュミット
22/23CLグループリーグ成績:4勝2分0敗(1位)
戦力値:75(攻撃力22、守備力18、選手層17、勝負強さ18)
ロジャー・シュミット監督率いるベンフィカは、パリ・サンジェルマン(PSG)、ユベントス、マッカビ・ハイファと同居したグループリーグで4勝2分の成績を収め、アウェイゴール数でPSGを上回り首位でのベスト16入りを決めた。国内リーグでもここまでわずか1敗と絶好調であり、今大会のダークホース筆頭と言ってもいいだろう。
夏にエースのダルウィン・ヌニェスがリバプールへと去ったが、FIFAワールドカップカタール2022でも活躍したゴンサロ・ラモスが台頭。また、ダビド・ネレスやエンソ・フェルナンデス、アレクサンダー・バー、フロレンティーノ・ルイス(レンタル復帰)がチームにおいて欠かせない戦力となるなど、補強もかなり的中しているため、昨季からのレベルダウンを全く感じさせていない。
シュミット監督の元、ベンフィカは魅力あふれる攻撃的サッカーを展開している。ビルドアップ時は2センターバックと中盤底2枚を基本に組み立て、ラファ・シルバやジョアン・マリオ、ネレスなど技術とアジリティを兼ね備えた2列目の選手たちはサイドに開かず、よりゴールへ直線的に向かうことができる中央に絞って突破口を探る。それによって空いたサイドのスペースは攻撃性能に長けたアレハンドロ・グリマルドとバーの両サイドバックが巧みに使い、攻めに厚みをもたらす。そして、相手がボールを保持すれば4-4-2ベースのハイプレスで襲いかかり、すぐに自分たちの攻撃へと持ち込む狙いを徹底しているため、攻守ともに迫力は十分だ。
ただ、ハイプレスの強度などは特筆すべきものがあるが、ゴール前で構える守備を苦手としている印象が強く、セットプレーからやられてしまうケースも少なくない。また、シュミット監督の戦術において攻守のキーマンだったE・フェルナンデスの退団がどこまで影響を及ぼすのかも気になるポイント。シュミット監督がどう穴を埋めるかは、今大会での躍進のカギを握るかもしれない。