喜田拓也が考えるバランスとコントロール
「いい意味で『こんなものか』という割り切りはあった。こういう(タイトルがかかった)舞台もそうですし、最初の公式戦ということで、そういうこと(思い通りいかない)こともあり得るのかなと頭に入れていた」
前半終了間際に追いつかれ、後半立ち上がりも押し込まれたシーンがあった。甲府の縦に速い仕掛けで迫られた場面もあったが、そこで簡単にやられないのが古今東西、勝ち続けるチームの共通点だ。カルロ・アンチェロッティが率いたACミランも、ジネディーヌ・ジダンが率いたレアル・マドリードもそうだった。
自分たちのスタイルが確立されていることは強みの1つになるが、強みの出せない時間に我慢して崩れないことが勝ち続けるチームに必要な要素となる。喜田は先述した言葉の後に、このような言葉を紡いだ。
「何が言いたいかというと、動じることなくゲームを進めていこうと。もちろん自分たちならもっとできると思うし、狙い通りのシーンもあった。そういった部分をもっと増やしていきたいという思いは選手の中にもあったけど、結果を譲らない、そこで崩れないというのもずっとやってきた。そこは自分がコントロールして大事にしていました」
この試合で喜田とともに中盤の底でプレーした渡辺皓太は、前日会見でこう語っていた。