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横浜F・マリノスが見せた本質的な強さ。喜田拓也の割り切りと渡辺皓太のチャレンジ【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

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FUJI FILM SUPER CUP2023(富士フィルムスーパーカップ)が11日に行われ、Jリーグ王者横浜F・マリノスが天皇杯王者ヴァンフォーレ甲府に2-1で勝利した。マリノスは苦しみながらも今季初タイトルをつかみ取ったが、果たして、この試合はリーグ連覇、そしてタイトル独占への第一歩となるのだろうか。(取材・文:加藤健一)


横浜F・マリノスの課題とヴァンフォーレ甲府の手応え


【写真:Getty Images】

 横浜F・マリノスのケヴィン・マスカット監督は、前日会見で「自分たちはこの1週間、明日の試合に向けて、タイトルを取るための準備をしてきた」と話していた。キャプテンの喜田拓也も「なんとしてもこのタイトルを奪い取って皆さんの思いを結実させたいなと思っていた」と、試合後に語ったように、マリノスはシーズン開幕の前哨戦とも言えるこのゲームに照準を合わせてきた。

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 しかし、マリノスは苦戦を強いられた。前後半はともに開始直後に甲府にシュートを許し、先制しながらも前半の終わり際にはボールロストから失点を喫している。マリノスにとっては本調子とは程遠いパフォーマンスだった。指揮官は手応えと課題を挙げている。

「前半は満足するクオリティではありませんでした。縦に行く、ゴールに向かう攻撃ができず、切り替えや前から行く守備もできませんでした。ただ、ハーフタイムに映像を見せながら修正したところ、後半はできていた部分もあった」

 新加入の上島拓巳がチーム事情によりほとんど経験がない右サイドバックで起用されるというイレギュラーな事態もあり、甲府のスペースを消す守備に手を焼いた。甲府の篠田善之監督も「ボールホルダーに制限をかける部分はもちろんですけど、ディフェンスラインの細かい押し上げ、ラインコントロールがうまくできていた。1人2人見るようにうまく消していた」と手応えを語っていた。

 それでも、結果的に90分で勝利したのはマリノスだった。ある意味ではここに今のマリノスの強さがあると言える。喜田は試合後にこのような言葉を残している。

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