ダークホースと昇格組の評価は?
昨シーズンのJ1参入プレーオフでロアッソ熊本に辛くも引き分け、J1残留を果たした。曺貴裁監督は近年のJリーグ史上、もっとも安定した監督のひとりであり、上位に食い込む可能性は低いものの、鋭い人材発掘により2023年には楽に順位を上げられるかもしれない。
パトリック、一美和成、木下康介はサンガのシステムでゴールに貢献できるだろうし、平戸太貴はオープンプレーとセットプレーの両方で、ここ数シーズンのJ2で最も信頼できるクリエイターであり、チャンスメーカーである。
J2といえば、6年ぶりにJ1に復帰したチームと1年ぶりに復帰したチームの話題で持ちきりだ。
アルビレックス新潟は、「壊れていないなら直すな(下手にいじってはいけない)」という考えだ。2022年にJ2リーグを制したチームをほぼそのまま残し、太田修介や新井直人といった安定した選手を加えて、2年目に入った松橋力蔵監督がどこまで勢いに乗れるか注目されるところだ。
一方、横浜FCはまったく違う道を歩んでおり、特に攻撃的な中盤の選手など、大量に獲得した選手をどう生かすかは、現段階では少し不透明である。高井和馬、井上潮音、坂本亘基、グエン・コン・フオン、新井瑞希、三田啓貴、そして復帰した小川慶治朗が、長谷川竜也、山下諒也、山根永遠と出場時間を競い合うことになるのである。
私の第一印象では、横浜FCよりも新潟のほうがJ2降格を回避できる可能性が高いように思える。ただ、それはここで述べた多くの推測と同様に、年が明けたときに思い知らされることになるかもしれない。
いずれにせよ、今年も素晴らしいシーズンとなるよう、そして最高のチームが優勝するよう、祈っている。
(文:ショーン・キャロル)
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