久保建英がいたからまだマシだった
それでも、ソシエダが何度か決定的な場面を作り出すなど、ある程度の質を保てたのは久保がいたからと言ってもいいだろう。
シルバやメリーノがおらず、ブライス・メンデスやミケル・オヤルサバルらのコンディションも今ひとつといった中、久保はその小さな体で非常に多くのタスクを担った。ゲームメーク、チャンスメーク、そしてディフェンス…。すべてのクオリティーが高かった。
フィニッシュ面に関しては、悔しさが残るだろう。両チーム合わせて単独トップとなる7本を放ちながら、ゴールネットを揺らすことができなかった。
しかし、チームとして機能していたとは言い難い状況の中で多くのチャンスに絡んだのはかなり評価できるポイントだ。それも多くのタスクをこなしながらである。だからこそ、チームが敗れてもマン・オブ・ザ・マッチ(MOM)に選出されたと言っていいはずだ。この日本人MFがいなければ、ソシエダはさらに悲惨な状況に陥っていたかもしれない。
ただ、チームを勝利に導けなかったことは覆らない事実。次こそは、結果を残したいところだ。
(文:小澤祐作)