あまりに響いていた重鎮たちの不在
90分間を振り返ってみれば、決して勝ち点0で終わるような内容ではなかった。ただ、勝利に値したかと言われれば、それも難しいところ。勝ち点1を取れれば十分だったようにも感じている。
イマノル・アルグアシル監督としては怪我人を理由にはしたくないはずだが、やはりシルバ、そしてメリーノの不在は響いていたと言わざるを得ない。ソシエダはポゼッション率こそ高かったが、うまくビルドアップできているとは言い難かった。
インサイドハーフに入ったマリンとアシエル・イジャラメンディは良くも悪くも無難。シルバらのようにポジショニングで優位に立つことはほぼなく、サイドバックからパスを当てられてもリターンする形が多かった。
相手からすると的を絞りやすく、単純なリターンであれば2度追いもかけやすい。それを繰り返すことでソシエダはどんどんと窮屈になり、理想的ではない形でボールを失う場面が散見された。安定して前にボールを運べていたのは、マルティン・スビメンディくらいだった。
チームが組み立てに苦労する中、シャドーに入った久保建英やナバーロが低い位置でサポートすることもあったが、そうなると高い位置で幅をとる選手がいなくなり、中央が苦しくなるという悪循環が生まれている。シルバがいればそうはならなかったはずで、改めてその存在の大きさを痛感する結果となった。
ビルドアップで詰まったとしても、ソシエダにはハイプレスからの速攻というもう1つの武器があったが、この日はそれもハマらず。主審の微妙な判定にも何度か泣かされた。