苦手な形で奪った決勝ゴール
限られたタッチ数の中でも、三笘は十八番のドリブルを何度か披露。前半にはキレキレの仕掛けからスミスに両膝をつかせることがあった。
そして、シュートチャンスはほぼなかったが、試合終盤にワンチャンスを生かしている。87分、ジェレミー・サルミエントからのクロスを頭で合わせ、ゴールネットを揺らしてみせた。
ボーンマスは三笘をかなり警戒していたが、オフ・ザ・ボールへの対応は曖昧だったようだ。ゴールシーンでは、サルミエントが左サイドに流れ、三笘がボックス内に侵入した際、誰も日本人MFのマークにつけていなかった。
サルミエントの動きは三笘のドリブルコースを消していたが、結果として彼らのポジションチェンジはターゲットを絞らせないという意味で効果的だったということだ。
普段とは違うチーム戦術の影響を受けただけでなく、ボーンマスにもかなり対策された中でも結果を残したのは、凄いとしか言いようがない。それも苦手としていたヘディングで決勝ゴールを奪ってみせたのだから。もはや三笘は、ただのドリブラーではない。
ボーンマス同様、今後も三笘に対し徹底的な策を講じてくるチームはあるだろう。その中で三笘がいかにして輝くのか。選手自身の工夫はもちろんのこと、デ・ゼルビ監督の手腕も重要となってきそうだ。
(文:小澤祐作)
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