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徹底された三笘薫対策をどう打ち破ったのか? 2戦連続決勝ゴールを決めた凄さ【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

三笘薫への徹底された対策



 先述の通り、この日のブライトンは3バックで攻撃を組み立てている。右のタリク・ランプティが高い位置を取り、左のペルビス・エストゥピニャンが残ることでバランスを整えていた。

 エストゥピニャンが最終ラインに残っているため、その一列前にいる三笘が高い位置を取ると2人の間にかなりの距離が空いてしまう。そのため、三笘がエクアドル人DFからボールを引き取るポジションは、普段に比べ必然的に低くなっていた。

 三笘のボールを受ける位置が低くなるということは、マッチアップする相手右サイドバックのアダム・スミスは背後のリスクをそれほど気にすることなく前に出てくることができる。実際、スミスの間合いを詰めるスピードはかなりのものがあった。

 さらにボーンマスは、三笘に対しスミスだけでなく、必ず複数人で対応するように警戒していた。これによって三笘は前を向いて仕掛けることができず、自然と無難なバックパスに逃げることが多かった。気づけばブライトンの攻めは日本人ドリブラーほど警戒されていないランプティのいる右サイドからのものが中心となっていたのだ。

 データサイト『Who Scored』によると、ボーンマス戦における三笘のボールタッチ数は51回だったという。これはフル出場を果たしたリーグ戦直近3試合の中で最小となっている。ブライトンとボーンマスの戦術がぶつかり合う中で、三笘の良さは消されてしまっていたのだ。

 それでも三笘は、試合から“完全に消える”ことがなかった。

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