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森保一の噂も…「日本人監督が欧州に行けない背景」シントトロイデン立石敬之CEOが分析する欧州移籍市場の実情とは【3/4】

シリーズ:シントトロイデン立石敬之CEOに訊く text by 元川悦子 photo by Getty Images

「日本人監督が欧州で指導ができない2つの背景」



「日本人監督が欧州で指導ができない背景には2つの問題があります。1つはライセンスの問題。もう1つはアジアの指導者の評価が低いことが挙げられます。

 後者の方を分かりやすく言うと、Jリーグにラオスやミャンマーの監督がいないのと同じ。日本よりレベルの低いと考えられている国の指導者をわざわざ招聘しないですよね。欧州にとって日本というのは、まだそういう位置づけだと言わざるを得ないんです」

 ただ、ライセンスに関しては、2019年10月に開かれたUEFAサミットの場で「他大陸連盟のライセンスを認めてほしい」という要望が各協会のダイレクターから出され、動きがあったという。

「UEFA側は『指導者のレベルが同じアジアと言っても、日本や韓国、オーストラリアとそれ以外はだいぶ差がある』と認識しているようで、すぐにはOKとはならなかった。ただ、いくつかの条件をクリアした監督はOKを出そうという提案には合意したんです。

 その条件というのは、①トップリーグで5年以上監督をやっていること、②何かしらの結果を残していること、③UEFAプロライセンスを取得する準備ができていること。つまり、どこかの国の講習会に登録が済んでいればいいという意味なんです。それを満たせば仮免許は出すという運びになった。そこでSTVVではケヴィン・マスカット(現横浜F・マリノス監督)を2020年夏に招聘したんです」

 当時、マスカット監督はウェールズ協会のライセンス講習に事前登録をしていて、受講メンバーにも名を連ねていた。それをベルギーサッカー協会に伝え、交渉を重ねて許可が出たのだという。

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