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久保建英 2年前

久保建英がレアル・マドリードの脅威に。D・シルバ不在で遂行するハイレベルな役割【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

マドリーの脅威とソシエダの粘り



 マドリーは、前半途中よりボールの反対サイドにいるインサイドハーフをスビメンディに当ててきた。そしてボールサイドのインサイドハーフは、ソシエダのインサイドハーフを消しながらサイドバックまで縦スライド。そこにナチョ・フェルナンデス、エドゥアルド・カマヴィンガの両SBも連動することで、ソシエダのビルドアップを封じてきたのである。

 効果的な働きをみせていたスビメンディを抑えられたアウェイチームは、そこから良い形でボールを前に運べなくなった。必然的にマドリーのポゼッション時間が増え、ギリギリの対応を強いられている。事実、試合開始〜20分まで2本だった被シュート数が、21分〜前半終了までで8本に増えていたというデータも出ている(データサイト『Who Scored』を参照)。

 後半に入ってもマドリーペースで、ソシエダは何度かゴールを脅かされた。そんな中で迎えた55分、イマノル・アルグアシル監督が動く。メンデスとミケル・オヤルサバルの2人を下げてパブロ・マリン、ロベルト・ナバーロを入れ、フォーメーションを4-3-3(守備時4-4-2)に変更した。

 これで少し試合の流れが変わり、ソシエダにも再びチャンスが回ってくるようになった。相変わらず個のクオリティーが高いマドリーの攻撃は脅威だったが、GKアレックス・レミロのビッグセーブや最終ラインに並んだ4人の粘りでなんとか失点を免れ、0-0のまま試合終了のホイッスルを迎えた。

 ソシエダは90分間で実に20本ものシュートを浴びた。その中で得た勝ち点1は、勝ち点3と同じくらいの価値があると言っていいだろう。この日はソシエダ守備陣の“粘り勝ち”といったところだろうか。

 もちろん攻撃陣も奮闘した。支配率38.6%と自分たちのスタイルを存分に発揮できなかった中でもシュート数8本、枠内シュート3本を記録したのは評価できるポイントだ。

 とくに、久保の働きは素晴らしかった。

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