セレッソ大阪
補強評価:B
昨季順位:5位
昨季からのベースはあまり変わらない。GKキム・ジンヒョンへの信頼は揺るがないが、Kリーグ通算135試合出場のヤン・ハンビンが加わり、より盤石なGK陣となった。怪我に苦しめられて昨季リーグ戦5試合の出場に終わった丸橋祐介は退団したが、マテイ・ヨニッチを中心とする4バックも軸は変わらない。
中盤には神村学園から大迫塁が加わった。既に奥埜博亮、原川力、鈴木徳真と実力者が並ぶポジションなだけに、即戦力の補強はなかった。右サイドにジョルディ・クルークスが加わったことで、攻撃力アップは確実。毎熊晟矢が右サイドバックもできるため、より幅の広い起用が可能となった。ジェアン・パトリッキが抜けた左サイドはカピシャーバが埋めてくれる計算だ。
大きな変化があったのは2トップに入るであろうFW陣だ。昨季のチーム得点王が6得点の加藤陸次樹だったことからもわかる通り、得点源が必要不可欠。アダム・タガート、ブルーノ・メンデスがチームを去り、加藤を脅かす存在として2年連続2ケタ得点のレオ・セアラが加入し、J2で10得点を挙げた藤尾翔太が期限付き移籍から復帰した。ハイレベルな競争の中で勝ったものが出場機会を掴めば、得点力は確実にアップするだろう。
堅守を支えたGKとDFに変化はなく、課題だった得点力を改善するために、大迫やクルークス、レオ・セアラ、藤尾といった人材が加わった。適材適所な補強ではあるが、最終ラインの層の薄さは若干気になるところ。昨季は試合終盤で失点して勝ち点を失う試合が多かったこともあり、ベンチメンバーの質に若干の不安を覚える。
セレッソ大阪 移籍情報2022/23 新加入・昇格・退団・期限付き移籍・現役引退
北海道コンサドーレ札幌
補強評価:B
昨季順位:10位
ビッグセーブでチームを幾度となく救った菅野孝憲が健在で、ク・ソンユンが母国の兵役を終えて帰ってきた。ハイレベルな正GK争いになることはほぼ間違いなく、どちらかにアクシデントが起きたとしても大きなマイナスにはならないだろう。選手層という意味で明らかに戦力補強に成功している。
最終ラインと中盤でプレーした高嶺朋樹が柏レイソルに移籍した。最終ラインには馬場晴也、中盤には小林祐希が加わり、両者が期待通りの働きを見せれば穴埋めはできるだろう。開幕で深井一希と駒井善成を欠く中盤は層の薄さが懸念事項になるが、馬場や田中駿汰が中盤にスライドすることで対応できる。両ウイングバックもルーカス・フェルナンデス、菅大輝、金子拓郎といった顔ぶれに変化はない。
大きな変化が現れるのが前線だ。興梠慎三が浦和レッズに復帰し、ガブリエル・シャビエルが退団した。代役として加わったのは浅野雄也と大卒の大森真吾。昨季は怪我に泣かされた小柏剛がシーズンを通して活躍できないようだと、戦力ダウンは否めない。総合的に見ると平均的な補強ではあるが、的確な補強戦略が今季に期待を抱かせる。
北海道コンサドーレ札幌 移籍情報2022/23 新加入・昇格・退団・期限付き移籍・現役引退
浦和レッズ
補強評価:B
昨季順位:9位
浦和レッズはリカルド・ロドリゲス監督と袂を分かち、マチェイ・スコルジャ監督を招へいした。その影響もあってか新戦力獲得の動きは遅く、新シーズンに向けては不安が残る。1月に入ってから岩波拓也が海外クラブとの移籍交渉に向けてチームを離れ、マリウス・ホイブラーテンの獲得が発表された。犬飼智也が復帰すれば、センターバックはまずまずの陣容となるだろう。
サイドバックには京都サンガから復帰した荻原拓也が入ったことで、よりハイレベルな競争が生まれそうだ。左には荻原と大畑歩夢、右には酒井宏樹、両サイドできる馬渡和彰と一列前でもプレーできる明本考浩が2つの枠を争う。中盤のメンバーに大きな変化はない。岩尾憲が完全移籍に切り替わり、飛躍のシーズンを送った伊藤敦樹、成長著しい安居海渡も控え、平野佑一や柴戸海が出場機会を得られない可能性があるくらいの層の厚さになっている。
一方で攻撃陣にはテコ入れを図った。江坂任とキャスパー・ユンカーが抜け、興梠慎三が復帰、ロアッソ熊本で昨季14得点を記録した髙橋利樹が加わった。さらに松尾佑介が海外移籍することになれば痛手だが、ブライアン・リンセン、ダヴィド・モーベルク、アレックス・シャルクら外国籍選手が残っており、枚数は揃っている。スコルジャ監督の目指す形にフィットする選手が見つかれば、十分にタイトルを争えるだけの戦力ではある。
昨季は9位に終わったとはいえ、大畑や伊藤の活躍など、今季につながるポジティブな要素があった。そこに荻原、髙橋らが加わってチームが活性化すれば、上位を争う戦力になるはずだ。
浦和レッズ 移籍情報2022/23 新加入・昇格・退団・期限付き移籍・現役引退
湘南ベルマーレ
補強評価:B
昨季順位:12位
昨季は開幕から躓いて下位に沈んだが、巻き返して残留を決めた。後半戦で得た手応えを自信に、ウィークポイントを手堅く埋めて今シーズンに臨む。
最大の問題はガンバ大阪に復帰した谷晃生の抜けた穴だったが、韓国代表GKソン・ボムグンが完全移籍で加入したことでその不安は解消された。最終ラインの顔触れは変わらず、杉岡大暉が完全移籍に切り替わった。昨季は怪我に苦しんだ岡本拓也もフルシーズン働くことができれば、昨季より戦力アップになるだろう。
昨季は層の薄さが目立ったウイングバックには吉田新と柴田徹の両大卒ルーキーが加わり、石原広教、中野嘉大、畑大雅とし烈な争いになりそうだ。アンカーは昨夏に田中聡が移籍したものの、茨田陽生が定着して後半戦の巻き返しに勢いをつける活躍を見せた。ただ、米本拓司が名古屋グランパスに復帰したため、選手層という意味では不安を覗かせる。昨季加入して怪我に苦しんだミケル・アグにも期待がかかる。
インサイドハーフの競争はさらにし烈だ。タリク、池田昌生、山田直輝、平岡太陽ら既存戦力に加え、小野瀬康介はウイングバックとこのポジションの両方で起用が予想される。
町野修斗の残留はチームが目標に掲げる5位を目指す上でこの上なく大きい。相棒の瀬川祐輔は川崎フロンターレに移籍したが、山下敬大の加入は瀬川が抱えていた決定力不足を補ってくれるだろう。ウェリントンが退団したことでスカッドのパワーは落ちたが、ベテランの阿部浩之、若い若月大和ら個性豊かな前線は、様々な得点バリエーションを提供してくれるだろう。
湘南ベルマーレ 移籍情報2022/23 新加入・昇格・退団・期限付き移籍・現役引退