新たな常勝軍団を作り上げるには…
身長187cmの垣田は高さを生かしたプレーもできるし、スピードを生かしながら献身的な守備やハードワークもできる。本人も「大きい選手が苦手な走ることや足元の技術を出すことができる。それはJ2からJ1で一歩一歩自分の足でゆっくり登った成果。やっと鹿島に挑戦するところまで辿り着けたので、一生懸命やりたい」と強調した。ギラギラ感の強い男の加入は前線を活性化させそうだ。
一方、新戦力の中で期待値の高い師岡はサイドが主戦場になる見通し。この日の1本目でも仲間隼人と左右を入れ替えながらプレーし、ゴール前での鋭さを示していた。その一挙手一投足には南葛の元日本代表・今野泰幸らも驚きを口にしたほど。かつて関川郁万とFC多摩でプレーしていたこともあり、チーム適応もスムーズに進んでいる様子だ。
「東京国際大学もそうだけど、今までの僕は強いチームを倒す側にいた。でも今回は初めて強いチームに入った。ここで自分が活躍できるかどうかが問われる。ここで最大限アピールできれば、上に行ける」と野心を露にしていた。
こういった新たな顔ぶれがチームを活性化させ、常勝軍団らしい厳しさと意識の高さを全員がピッチ内外で表現できるようになれば、今季の鹿島はガラリと変わるかもしれない。昌子の長期離脱は痛いが、その分、人間的に成熟した植田がしっかりとリードしてくれるだろう。そういった部分を含め、ここからの動向が大いに楽しみだ。
2023年は鹿島から目が離せない。
(取材・文:元川悦子)
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