久保建英を主役にしたシルバの功績
先ほど先制ゴールが両者の運命を分けたと記したが、その理由は久保が絡んだ2得点にある。1点リードを許したビルバオはどこか攻撃を急いでしまい、自陣でミスを犯した。それが、最終的な3失点につながっている。
ただ、ビルバオにミスが起きたのはソシエダの連動した守備があったからに他ならない。とくに、シルバの頭脳的なディフェンスは効いていた。
久保が奪った得点は、シルバのボール奪取が起点となっている。
GKシモンからミケル・ベスガにボールが渡ると、セルロートが左側を切りながらプレッシャーをかける。これを受けたベスガは前を向くと、シルバはチャンスと思ったか、死角から一気に寄せてボールをノーファウルで奪取。そのまま久保にスルーパスを出し、得点をお膳立てした。
60分には右サイドのニコ・ウィリアズムがボールを持つと、ディエゴ・リコとミケル・メリーノで対応。シルバは内側を走るデ・マルコスへのパスコースを消そうとメリーノらのカバーに入り、N・ウィリアムズを右サイドに閉じ込めた。たまらず同選手はバックパスを選択したが、雑なパスは久保に渡り、結果としてソシエダにはPKが与えられた。
シルバは先日37歳となったが、技術力、IQ、そして守備面の貢献度は全く衰えない。こうした存在がいるのは、ソシエダにとって幸運だ。
(文:小澤祐作)