久保建英劇場が開演
このバスクダービー、最終スコアはソシエダの3-1となった。しかもビルバオには退場者が出ているので、ホームチームの完勝と言っていい。
圧巻の輝きを放ったのが、日本代表MFの久保建英だった。立ち上がり、いきなりスピードに乗ったドリブルを披露しコンディションの良さをアピールした同選手は、バスクダービーという最高の舞台でソシエダのヒーローになった。
37分、久保はダビド・シルバからのスルーパスを受けると、寄せにきたDFを股抜きでかわし、最後はGKとの1対1を冷静に制した。
このシーンを振り返った久保は「シルバ選手が(ボールを)奪った時に、彼はスペースに流すのが好きなので、ちょっと外に離れて受けやすいような位置を取った。ちょっとボールが流れた分、相手が出てくるかなと思ったので、最初から股を狙うつもりで、本当に全部思い通りにいきました」と冷静かつ瞬時の判断が生んだ1点だったことを明かしている。だが、得点後にユニフォームを脱いだ時だけは、どうやら冷静ではなかったようだ。
本人としては悔しい幻のアシストも多かった中、ようやく目に見える結果を残した久保は、後半にも大仕事を果たす。60分、相手のミスから一気にボックス内へ侵入すると、DFのファウルを誘発。PKを獲得しただけでなく、相手を決定機阻止で退場へと追い込んだ。
このPKをミケル・オヤルサバルが冷静に沈め、ソシエダはスコアを3-1とした。ポゼッションできるソシエダ相手に10人、かつ2点差はもはや地獄。この時点で、ビルバオの敗戦は決まったも同然で、あとはどれだけ2点差を保てるかという状態だった。
ビルバオをどん底へと突き落とした久保は、この試合のMOMに輝いている。1得点に加えPK奪取、そして退場者誘発。異論はないだろう。