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なぜ怒る? メッシ着用の黒マント批判、不思議に思うアラブ諸国「無知や偏見の表れだ」

text by 編集部 photo by Getty Images

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【写真:Getty Images】


メッシが着用したビシュト、欧米とアラブ諸国で異なる反応

 カタールワールドカップでゴールとアシストを量産し、主将としてアルゼンチン代表を優勝に導いた35歳のアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ。同選手が表彰式で黒い衣装(ビシュト)を着用した事で批判が相次いでいるが、逆にアラブ諸国は不思議に思っているようだ。UAEメディア『ガルフニュース』が報じている。



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 同メディアによると、ビシュトにも様々な価格があり、メッシが着用したビシュトは日本製の生地を使った2200ドル(約29万円)の高級品だという。主に王族の正式な行事や結婚式で着用される伝統衣装であり、メッシがサッカー界の象徴的な存在であることの敬意、類稀なる才能を敬う気持ち、そしてサッカー界にもたらしたものへの感謝の意味が込められていたとのこと。まさに、アラブ人にとっては威信と尊敬を表すものだ。

 しかし、英メディア『BBC』で解説者を務めるゲーリー・リネカー氏は「歴史的な瞬間だ。それなのにメッシのアルゼンチン代表のユニフォームが隠れてしまった事は、ある意味残念」と批判。米紙『ニューヨーク・タイムズ』のタリク・パンヤ記者が「メッシがかしこまった格好をしているのは、何かちょっと変だ。カタールは、メッシやアルゼンチン代表と同じように、この瞬間を自分たちのものにしたいのだろう」と発言するなど、受け入れられない様子で語っている。

 そのような反応を受けて「無知や偏見の表れだと、アラブ諸国のほとんどの人が思っている」と、同メディアは伝えた。実は、過去にもワールドカップの表彰式で選手が民族衣装を着た場面がある。1970年のメキシコワールドカップにおいて、優勝したブラジル代表のペレ氏が、メキシコのソンブレロという帽子をかぶっていた。

 ビシュトを着用したメッシと、ソンブレロをかぶったペレ氏の写真を並べ、ナセル・メスタルヒ氏は「親愛なる欧州と米国のスポーツジャーナリストたちよ。首長や国家元首がビシュトを着用させることは大きな名誉であり、象徴的に騎士になったようなものだ。ビシュトが何であるかを理解した上で、この瞬間がスポーツ史に残るような象徴的な瞬間となるよう、泣き言を言い続けてください」と、批判に反論している。

 また、カシム・ラシッド氏は「ペレ氏は1970年のワールドカップでメキシコのソンブレロを着用し、メディアは喜んだ。メッシは2022年のワールドカップでアラブのビシュトを着用し、メディアは激怒した。本当にメディアは二枚舌だね」と述べている。なお、現時点で国際サッカー連盟(FIFA)はコメントを出しておらず、問題視することでは無いのかもしれない。

【了】

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