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Jリーグ 2年前

プレーヤーは「代弁者」。現役Jリーグ選手の意識が変わるきっかけとプレーの変化【コラム】

シリーズ:コラム text by 岡田優希 photo by Getty Images

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【写真:Getty Images】



「重要なのは自分たちの存在感を誇示しメッセージを発信すること」(p27)
「サッカーを通じて、ファシスト政権への抵抗を呼びかける代弁者」(p27)
「バーラ(ボカジュニオールのウルトラス)は権力に歯向かうんだ」(p107)
「現状に不満を抱える者が自らの考えや意志を自由に表現できる場」(p189)
「サッカーの世界ならば、自分達のアイデンティティをアピールし、アテネ勢に一泡吹かせることができる」(p224)
「PAOKを応援するのは、アテネ中心に動いている国に対抗する唯一の手段」(p224」
「家庭や学校、公の場ではできないことを表現するんだ。その日とか、その週に起きた出来事をモチーフにしながらね」(p234)
「政治的には左翼で反体制志向が強く、社会問題に対してリベラルな態度を堅持しようとしたのがチェルシュ(ベシクタシュ最大のサポーターグループ)。チェルシュの本質にあるのは感情だ。何かを良くしたいという善意が人々を集わせるのだ」(p393)

 また近年世界を大きく揺るがすロシアウクライナ問題や、インドネシアの死傷事件が起こる前から本書はその火種を記している。

 ウクライナのメタリスト・ハルキウのウルトラスが設立した志願兵の部隊は、実に65%が様々なクラブのウルトラスに所属していた若者が占めている。アゾフと呼ばれるその部隊は、実際に軍事作戦行動を取っており、2014年6月にはマウリポリを親ロシア派の勢力から解放することに成功した。

 2022年10月1日にインドネシア東ジャワ州のカンジュルハン・スタジアムで行われた試合で暴動が発生し、負傷者467人、死者131人とサッカー史上2番目に多い死者数を出した痛ましい事件が起きた。

 試合終了後、興奮したサポーターがピッチに侵入、乱闘を止めようとした警察が騒ぎを抑えようと催涙弾を発射したが、かえってそれが暴徒化のきっかけとなり、パニック状態になったスタジアムでは出口に人が将棋倒しになり圧死した。

「インドネシアの警察は治安維持にまるで貢献していない。一人が暴れたら全員攻撃してくる。とにかく殴りつけなければ気が済まないんだ。そんな真似をされたらこっちも頭に来るし、スタジアムは沸き立ったスープの鍋のようになる。」(p471)

「ヨーロッパで喧嘩になれば、相手をぶちのめしたらそれで終わりだ。だけどインドネシアは違う。相手が倒れても死ぬまで殴り続けるんだ」(p472)

「大半のインドネシア人は貧しいし、苦しい生活を忘れさせてくれるのがサッカーになっている。だから自分のクラブが馬鹿にされるのは我慢できない。相手と揉めたら殺すしかないんだ」(p472)

「インドネシアは13,000の島々から成り立ち、300以上の民族と500の言語が使用されている」(p469)

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