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サッカー日本代表が主導権を握るには? ボール非保持時に必要な戦術的な共通理解【W杯総括後編】

text by 河岸貴

「主導権を握る」をどう解釈するか?



 イングランド代表を見ていても、奪ってからが速い。フリーランニングも素晴らしいし、主導権を握るというのはまさにこれだと思う。また、モロッコ代表のような戦いを、主導権を握っていると解釈できるかどうかも重要です。

 スペイン代表やブラジル代表みたいに、ボールを持ってコントロールしたいというのもありますが、相手にボールを持たせてゲーム自体をコントロールするという戦い方もあります。カウンターを効果的に繰り出していれば、ボール保持率40%くらいでも主導権を握っている試合はあります。そういう意味で考えても、日本代表は主導権を握れる時間が少なかった。

 主導権を握るためには戦術的なコンセプトが重要になります。どういうプランでカウンターを出すか、どういう奪い方をするのか。ショートカウンターから決めたスペイン代表戦の堂安律のゴールは、奪い方からシュートという形がとても良かった。

 中盤だったり、自陣で奪うところ、ロングカウンターができるというのは証明されたと思う。次は相手陣内でサッカーをしてショートカウンターを出せるかというところになってくる。相手陣内でサッカーをするために大事なことはリスクマネジメントで、これができないとドイツ代表のようになります。

 攻撃のコンビネーションももちろんそうですが、失っても大丈夫だという共通理解も大事になります。やはり選手たちは取り返されるのが怖いとチャレンジできない。ボールを持っても「どうしよう」となって無難なパスを回し続けるだけになってしまいます。

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